
ずーっと前。
7担当の人が原因不明の体調不良に陥り、
にっちもさっちもいかなくなった時期があった。
今でも時々思い出す。
本人がどうしていいか分からず苦しんでいるのだ。
俺もどうすればいいのかさっぱり分からず、
二人でパニックになっていた。
気分転換に、と手をつなぎながら、行くあてもなく街を彷徨っていた時、
目の前に、大きなハクモクレンの木がパッと現れた。
その時、初めて顔を上げた気がする。
白い花に手が届きそうな気がして必死にジャンプしたあの日。
泣きながら笑ったあの日。
土曜の仕事終わりにそのハクモクレンを、久しぶりに眺めてきた。
当時の辛さが蘇り、胸がギュっとなって苦しくなった...
けども...。
あの時感じた得体の知れない不安や不気味さは、もうそこにはない。
ただ、静かにあの時を思い出すだけだ。
嘆きのハクモクレン。
あの感情を忘れずに、ずっと胸に留めておきたい。